
初 霜
ケガをして二年、窓からしか四季を知ることのできない私。
初霜が降りたと誰かがおしえてくれた。
息が白くなるような寒さをベッドの上では忘れていたのに。
急に外へ出たくなった。

べに花
ベニ花のひとつひとつが私を励ましてくれた。
新しい出会いから多くのことを教わったように、この花を育ててくれた優しい人の声も聞こえた。

散歩道
ケガから3年目の秋がきた。
退院はしたものの何もできず、どこへも行けない。
俺にかまわず出かけてほしいがそれも無く。
ヨシッ! そのうちに行こう、イチョウ並木に。
だけど肩車もカケッコもできないぞ。
車イスを押すのだから……。

もみじ
娘の文化祭に出展が決まるが、秋らしいものがない。
いくら寝ているだけの俺でも心に四季を持とう。
つらい冬の後に必ず暖かな春がやってくるように。
秋といえば紅いもみじ。

自筆の書